水樹奈々:大河ドラマ出演は「青天の霹靂」 歌手デビュー25周年「これはご縁」と挑戦 久々の“生身の芝居”から気づき、学びも

大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で智恵内子を演じる水樹奈々さん (C)NHK
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大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で智恵内子を演じる水樹奈々さん (C)NHK

 横浜流星さん主演の大河ドラマべらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK総合、日曜午後8時ほか)で、女性狂歌師の智恵内子を演じている歌手で声優の水樹奈々さん。大河ドラマ初出演で、オファーをもらった際「青天の霹靂(へきれき)すぎて、これはドッキリなのかなと思いました」と振り返る。ドラマに“顔出し”出演するのは27年ぶり。撮影現場では久々の“生身の芝居”に挑戦している水樹さんに話を聞いた。

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 ◇声を作らず、自分の動きに連動して出た音が正解なんだと

 「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は64作目の大河ドラマで、日本のメディア産業やポップカルチャーの礎を築いたとされる蔦屋重三郎(略して“蔦重”)の生涯を描く。

 水樹さんが演じるのは、湯屋の主人・元木網(ジェームス小野田さん)の妻・すめ。狂名“智恵内子”としての側面を持つ。夫とともに天明狂歌をけん引する。蔦重(横浜さん)とは、大田南畝(桐谷健太さん)や夫・元木網などが参加する狂歌の会で知り合い、親交を深めていく。

 5月25日放送の第20回「寝惚(ねぼ)けて候」で、智恵内子として初登場した水樹さん。今回の大河ドラマ出演に関しては「まさか自分が」という思いは当然あった。

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 「どういう経緯でご指名いただいたのかとうかがったら、狂歌はお江戸のポップカルチャーになっていて、智恵内子は、それをけん引する数少ない女性狂歌師の一人。そこで歌と言葉、その両方をしっかり伝えられる方に演じていただきたいということでした。すごく恐縮したのですが、私が今年、歌手デビュー25周年イヤーということもあり、ご縁と言いますか、こういうタイミングでいただいたお話なので、これは神様が『チャレンジしなさい』と言ってくださったのかもと、オファーをお受けしました」

 初登場となった第20回では、“第一声”で存在感を放ちファンを喜ばせた水樹さんだが、「声を作るとか、歌を詠むときはいい声でという意識はまったくしていなくて」と話す。

 「声優でのお芝居も声を作るという意識ではありません。そのキャラクターがどういうふうにしゃべるのか、私はまず骨格から見るのですが、この骨格だと、こういう声帯で、こういう音の響き方をするんだろうなって。そこから導き出されたもの(声)を出しているので、声色を調整するというイメージはありませんし、今回は自分の肉体がキャラクターとなるので、自分の動きに連動して出た音が正解なんだと考えています」

 智恵内子のキャラクターについては「ツンデレではなくて、ツンツンです」と説明する。

 「時代的に夫を立て、妻は一歩下がるという形ではあるのですが、実は手綱はしっかりと握っている。尻に敷いているというほどではないのですが、芯のある女性で、奥ゆかしく優しくというタイプではなく、対等に旦那さんとお風呂屋さんをきりもりして、狂歌の会を一緒に仕切っているので、かなり頭が切れる女性です」

 そんな智恵内子が活躍する「狂歌の会」については、「サークル活動にも似ていて、身分を超えてつながれる、オフ会のような場所」と定義する。

 「普段は会えない方たちが狂歌という一つのツールを使って集まる、それを理由に最後は飲めや歌えやの宴になっていくので、ギャップのある部分も演じることができたらいいなと思っています。あとは、そのキャラクターが豊かに見えるアドリブを入れられたらいいなと、せりふのないところでもたくさんお芝居をさせていただいているので、もしかしたらこのキャラクターはこういう一面もあるかもと、視聴者の皆さんが想像を膨らませてくれたらいいなと、手探りながら頑張っています」

 ◇頭のてっぺんから足の先まで、一瞬たりとも気を抜くことはできない

 久々の生身の芝居については「声と動きの連動というところが、自分の中ではテーマ」と考え、挑んでいる。

 「声先行になりがちなので、そこをどういうふうに自分の動きと紐づけていくか、まず最初に考えました。そこにいるだけで、目線の動き一つ、まばたき一つに全部に意味が出てしまうので、改めて難しいと感じました。無意識で出てしまうもの全てに意味が出てしまうので、頭のてっぺんから足の先まで、一瞬たりとも気を抜くことはできないこの緊張感たるや。どうやって動くか、前もってもっともっと細部まで考え抜いておかなければいけないんだなと、痛感しました」

 さらには、今後の声優活動にフィードバックできるような気づき、学びについても「声優として今後はキャラクターがまとっているものをより声に乗せられたらいいなと感じました」と少なからず手応えが。

 「たたずんでいるだけで意味や存在感が出せる、ちょっとした息遣いだったり、短いせりふの言い回しでも、言葉を立たせるだけではない、オーラのようなもの、空気感をよりナチュラルに乗せられたらいいなって。引き出したが増えたような感じはしていますし、作品によるとは思うのですが、生かせるものがまた一つ増えた気がします」

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