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永瀬アンナ:「呪術廻戦」インタビュー 最終地点を覚悟した天内理子への思い 劇場版総集編「懐玉・玉折」へのうれしさと怖さ

「劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折」で天内理子を演じる永瀬アンナさん

 「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された芥見下々(あくたみ・げげ)さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「呪術廻戦」の第2期「懐玉・玉折」の総集編となる「劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折」が5月30日に公開される。「懐玉・玉折」は、2023年7月から放送された全5話のエピソードで、“最強の2人”五条悟と夏油傑の呪術高専時代の“もう戻れない青い春”が描かれた。同作で、星漿体(せいしょうたい)と呼ばれる過酷な運命を持つ少女・天内理子を演じた永瀬アンナさんに劇場版総集編への思い、「懐玉・玉折」の魅力を聞いた。

 ◇天内理子の明るさの理由 似たような経験も

 天内理子は、不死の術式を持つ呪術界の要・天元と同化しなければならない星漿体という運命を背負っており、理子の暗殺をもくろむ伏黒甚爾らに狙われることになる。五条と夏油は理子の「護衛」と「抹消」という任務を課されるが、圧倒的な強さを誇る甚爾により“最悪の事態”が起こる。

 永瀬さんは、「懐玉・玉折」の劇場版総集編が制作されることを知り、「うれしかったんですけど、正直ちょっと怖いなっていうのはありました」と複雑な思いも抱いたという。

 「役的にも、ちょっとつらかったり、しんどかったりする部分があって、それを改めて劇場の大音量の中、大きな画面で見るのはなかなか勇気がいるなと思って。今振り返っても残酷だったし、当時、私が演じていた時もつらかった記憶があるので、それをまた見るのは心が痛いなと思いながら……」

 理子は、過酷な運命を背負いながらも、普段は元気な女子中学生だ。永瀬さんは、改めて理子について「心の奥底で最終地点が分かっていて、それに対して覚悟を持っている」と感じているという。

 「普段のはつらつとした明るさは、『まだみんなといたい』『もっと生きていたい』という本音を隠すようなイメージというか。誰にも知られちゃいけないなとは多分思っていたと思うんです。だから、それを押さえつけるように、誰にも分からないようにしていた反動での明るさがあったのかなと。最初の登場シーンの収録は、私も緊張していたんですけど、『おらーっ!』とものすごいパワーを持っているイメージだったので、大きい声を出して、誰よりも明るく、カーンと突き抜けるようなイメージで演じました。その意識があったからこそ、最後の本音を吐露するシーンがより引き立ったのかなと、当時思っていました」

 終盤では、五条や夏油が理子の本音を見透かしているようなシーンも描かれる。永瀬さんは、テレビ放送から時間がたった今だからこそ気付いた感覚もあるという。

 「理子が隠していた本音に夏油が気付いて、天元様になるのか、それとも帰るのか、と選択を出してくれるんです。私も最近になって分かったのですが、やっぱり見ている人は見ているというか。自分が隠し通せていると思っていても、気づく人は気づく。というのも、別の作品で私が芝居やいろいろなことですごく悩んでいる時があって、自分では明るく普通に振る舞っていたつもりだったんですけど、ある時、先輩の声優さんに『すごいお豆腐メンタルだよね』と言われたことがあったんです。『この間の収録の時、あなたこんなこと思ってたでしょ?」と言われて、『なんで分かるんですか?』とドキッとしました。本編で夏油が理子に一緒に帰る選択肢を提示してくれた時、理子はこんな気持ちだったのかなと彼女の感情を追体験したような気分でした」

 ◇“黒井”清水理沙の一言に助けられた 中村悠一のすごさ 新たな発見も

 テレビアニメでは、緊張しながら収録に臨んだという永瀬さん。理子の世話係の黒井美里役の清水理沙さんら先輩声優から影響を受けたことも多かったという。

 「一番印象に残っているのは、黒井さんを演じる清水理沙さんに初めてお会いした時、第一声で『お守りしますよ』と言ってくださったことです。本当に『こんなに役と人を大切にしてくれる人がいるんだな』とすごく思ったし、その一言があったからこそ、自信を持って、周りの皆さんを信頼して、自分も信じて、お芝居に挑むことができました」

 五条と理子が沖縄の海ではしゃぐシーンでは、五条役の中村悠一さんについて「あんなに奇天烈(きてれつ)な笑いをできる人いるんだって、すごく驚きました」と振り返る。

 「中村さんには、何でもできちゃうようなイメージを抱いてたんですけど、その『何でも』というのは、一つ一つの役柄に対しての解像度が高かったり、理解度が高いというところから来ているんだなと、その時にすごく思って。五条の笑いも個性的ですごく面白かったし、私自身もそれに乗せられて楽しくキャッキャと笑うことができました」

 理子を演じ、自身の中で新たな発見もあった。

 「『呪術廻戦』の原作のマンガの絵にとらわれすぎずに演じられたのは、もしかしたらよかったのかなと思います。今振り返ると、めちゃくちゃ絵を意識してお芝居していたかというと、多分そうじゃなくて、文字や状況を頭の中でイメージして、それを自分の納得できる音や、芝居感で出力することができたのかもしれないと思います」

 「『呪術廻戦』原作やアニメーションの画(え)にとらわれすぎずに演じられたのは、もしかしたらよかったのかもしれません。セリフや状況を頭の中でイメージして、それを自分の納得できる音や、芝居感で出力することができたと思います」

 「呪術廻戦」の以前、別のマンガ原作の作品に出演した際は、「原作の絵を頼りに演じさせていただいたことがあって、絵に集中して演技をすると『それでは凝り固まった芝居になってしまう』と言われたんです。だから、文から読み取れたものを頭の中でイメージして整理した方がいい、絵はアニメーターさんが頑張ってくださるからと。このアドバイスを元にアフレコでは、天内理子の視点・感情をより意識して演じられたのかなと思います」と語る。

 ◇五条と夏油のリアルさ 爽やかさの裏にある冷たい、暗いもの

 理子を演じた永瀬さんは、“最強の2人”五条と夏油の関係性をどのように捉えているのだろう。

 「いい意味でも悪い意味でも、めちゃくちゃリアルな高校生というか。2人が互いのことを信頼していて、分かり合っているからこそ、何でもできるような感覚でいたり、いろんなことに前傾姿勢で取り組むところがあったり、ちょっと生意気だったり。そういうところがすごく等身大だなと思いました。その関係が、ちょっとしたズレでほころんで、崩れてしまうっていうのは、多分あることだと思うので、すごく身近に感じました」

 永瀬さんは、「懐玉・玉折」を「呪術廻戦」の始まりとも言えるエピソードだと感じているという。

 「特に『懐玉』部分は爽やかなイメージで、キービジュアルも青々しくて、爽やかなイメージがあるんですけど、『玉折』にかけて、爽やかさの奥深くにある冷たい、暗いもの、人間の嫌な部分という一本の筋が通っていて。それは、その後のエピソードで前面に出てくるので、『懐玉・玉折』では予兆みたいなものがすごく感じられるというか」

 最後に、「劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折」の見どころを聞いた。

 「全5話がひとまとめになっていて、毎話の切れ目がなくなっているので、登場人物の感情の流れがすごく分かりやすいと思います。個人的にはキタニタツヤさんの『青のすみか』のアコースティックバージョンを聞けるのがすごくうれしいです。本当に五条と夏油のはかなくて短い時間に寄り添って作ってくださってるんだなというのがすごく分かって、大音量で楽しんでいただきたいです」

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